ミニカー物知り帳
ミニカー(和製英語)は、自動車をいろいろな素材、縮尺でモデル化した模型です。
子供の玩具として用いられる安価なものから、大人の鑑賞用の高価なものまで製作されています。素材はダイキャスト製が一般的ですがスチロール樹脂製のプラモデル、金属製のメタルキット、ラジコンやスロットカー等自動走行機能を持ったもの等広くミニカーに含める場合もあるようです。初期のミニカーは、鉄道模型のジオラマの小道具として作られるようになったため、その大きさは鉄道模型の縮尺に準じており、鉄道模型の「Oゲージ(レール幅32mm)」規格に合わせて作ったものが現在の「1/43」スケール、「HOゲージ(レール幅16mm)」が半分の「1/87」となります。日本でも人気の「1/64」は、鉄道模型の「1番ゲージ」が1/32なので、その半分のスケール。「1/18」は、居住空間にゆとりがあり、大きめの模型を好むアメリカ市場向けに、近年生まれたスケールです。実際、アメリカでは1/18スケールの人気が高いようです。観賞用の大型商品には1/18、1/12、1/20、1/24といったスケールのものもあります。
最初のミニカーは1901年に創立されたイギリスの玩具メーカー「メカノ」社のもので同社のブリキ製「Oゲージ鉄道模型」の周辺アクセサリーとして1933年に発売された「モデルド・ミニチュア 22シリーズ」の6台セットだと言われています。セットされた6車種には、アーミー・タンク、デリバリーバン、スポーツカー、モータートラック、スポーツクーペ、ファームトラクターという、一般的な名称が与えられています。同社のミニカーは、1934年2月に初めてゴム・タイヤを採用、同年4月からは、今や伝説的な存在となったミニカー・ブランド「ディンキー・トイズ」を名乗ることになりました。
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ミニカーの「材質」はさまざまで一般的なダイキャスト製ミニカーは亜鉛合金で、これを金型で成型して製造します。同様に金型を使うものとしては、プラスチック製ミニカーがあります。いずれも大規模な工場設備が必要なので、ある程度以上の大量生産を前提とした材質・製造方法と言えます。反対に少量生産のモデルには、ホワイトメタル(すずと鉛の合金)やレジン(フッ素樹脂)といった材質のものが多くこれらの材質には金型の代わりにゴム型が使われ、比較的小規模な設備でも製造が可能となっています。少量生産故に、手作り品など価格が高い特別なモデルの場合に多用されてきました。近年のダイキャストやプラスチック製ミニカーは、おおむね特別な配慮を必要としないが、これに比べ、一般的にホワイトメタルは柔らかく曲がりやすく、レジンは割れやすいので、より繊細な取り扱いを心がけることが必要です。
ミニカー・メーカーは昔から世界中に存在していて、各々のメーカーが自国内で設計から生産までを行っていました。しかしここ20年あまり、欧米や日本のメーカーは、低コストでの生産が可能なため生産拠点を中国や東南アジアに置くようになりました。
メーカーの開発担当者が資料を工場に送布、工場で図面が引かれたり、ミニカーの原型が作られ原型が出来ると、メーカーの開発担当者が入念にチェック、より実車のイメージに近づけるための調整が繰り返されることになります。この工程での微妙な味付けこそが、各ミニカー・メーカー開発担当者のセンスの見せ所です。こうして原型が出来上がると、金型が作られ、実際の生産が行われることになります。
機械化が進んでいるとは言え、細かいディテールを有するミニカーの生産現場は、多くの部分で繊細な手作業に頼っているのが実情です。
ミニカーは新旧いろいろ千差万別だから集め方にも様々なパターンがあります。趣味なのだから、こうあらねばならないなどというルールは全くなくただ好きな車種を漫然と入手していたら自然と集まったでもいいと思います。しかし同好の士とコミュニケーションするような時、自分の集めている車種とかこのブランドのモデルだけのコレクション・テーマを話すことが出来れば、趣味はいっそう深まると思う。一般的に、新旧レーシングカー、新旧国産車、新旧フェラーリやポルシェなどの外国車といった「車種別」、ミニチャンプス、エブロ、ホットウィール、トミカといった「ミニカー・ブランド別」、1/43、1/64、1/18といった「スケール別」などのテーマが考えられます。
ある程度の台数が揃ってくると、ディスプレーが気になるものです。できれば各々の住空間に合った「飾り方」を考えてみましょう。
ミニカーのほとんどは、もともとプラスチック製のクリア・カバーが付いたウィンドウ・パッケージ体裁だから、1台でもすぐ飾ることができます。でも台数が多くなると、専用のディスプレーケースが欲しくなります。いろんな種類があり、フレームがアルミのもの、木のもの、クリア部分がガラスのもの、アクリルのものなどさまざまです。最近では玩具量販店などでも見かけるし、家具ショップにもあり安価のものもあります。ケース選びは他のインテリアとのコーディネートも考え、できれば耐震性も考えておきましょう。
ケースの中にパッケージのまま陳列するか、ミニカー本体だけを取り出して飾るか、実車の関連グッズであるバッジやカタログなどを一緒に飾るとお洒落にもなります。
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